お仕事カコタム(動物看護師)

 スタサポ・受験カコタムを利用する中学3年生の女の子が、以前から興味のあった動物看護師の仕事への理解を深めようと、現役の方にインタビューを行いました。勤務内容についてだけでなく、中学時代のお話などもうかがい、将来を考える上で貴重な時間となりました。

 インタビューはゆるきちで9月22日、札幌市内の動物病院で勤務する佐藤桃さんが応じてくださいました。

 女の子の質問に応じる形で、佐藤さんが仕事内容を説明。動物病院には多い時で1日50~70件程度の来院があり、犬や猫や小動物のほか、とかげや蛇、モモンガなどもいるとのこと。女の子が「一番大変な動物は何ですか?」と尋ねると、「猫。警戒心がすごい子もいるから、気をつけないとすぐ爪でシャってやられたりとか。逃げ回って診察室がぐちゃぐちゃになったこともあります。実は蛇とかは大人しくて怖くはないです」と意外な答え。女の子が続けて「それでも嫌いになったりしないの?」と鋭い質問を投げかけると、佐藤さんからは「私はならなかったな。猫も悪気があって攻撃するわけじゃない。怖いからそうなっちゃっている」と動物への愛情たっぷりの答えが返ってきました。

 18時開始のインタビュー。女の子は、昼過ぎの5時間目の授業からずっと緊張していたといいますが、質問はシリーズごとに分けて盛りだくさんに用意してきてくれていました。

 「悲しいシリーズ」の中の「1年で死んでしまう動物はどのくらいいるんですか」との質問に対して、佐藤さんは「多分何十件。通ってた子が、高齢とか病気とかで亡くなることもあるし、急に運ばれてきて、処置するけどそのまま亡くなってしまう子もいる。たまに安楽死とかを病院でやらなきゃいけないこともある」と包み隠すことなく誠実に話してくださいました。それでも、「もう助からないんじゃないかと思った子が手術して、治療して、ちょっとずつ良くなって、何ヶ月後かには、もう元気になって治療終わって帰ったりもある。それで患者さんにも『ありがとうございました』って言われると、よかったなって思う」と最大のやりがいについて話してくださいました。

 獣医師のサポートからもやりがいを感じる場面はあるそうで、「診察の処置の時に、獣医師が必要そうなものを、言われる前に準備しておく。それで実際に『あれ持ってきて』って言われて『もうあります』ってできた時は『よっしゃ!』ってなります」と身振りを交えて語ってくださいました。

 インタビューが盛り上がりを見せる中、女の子が「興味があることは頭に入ってくるんですけど、興味ないことは耳から耳から通り過ぎてしまう」とちょっぴり悩みを打ち明ける場面も。すると佐藤さんは「私も勉強だいっきらいで。高校の受験もギリギリまで勉強しなくて。宿題やらずによく塾の先生を困らせてました。高校も全然勉強しなくて」と今の姿からはとても想像できない驚きの回答。「でも、やっぱり専門学校入ると、好きな勉強や好きな動物の勉強ができた。『私こんな勉強好きだっけ』っていうぐらい、勉強ができた。好きなことを仕事にするとか、好きなことを勉強するのは、とてもいいなと思います。今の病院に就職して4年。思っていたよりずっと楽しい。すごいいい仕事だと働いていて思うので、ぜひ!」。憧れの動物看護師さんの優しくてしっかりした姿も、自分と少し重なる中学時代の姿も、女の子にはエールとなったようでした。

<お仕事カコタムとは>
 お仕事カコタムは、将来就きたい職業や興味のある職業に就いている社会人にお話を聞きに行くというものです。

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